美肌、シミ予防のために一番効果的な食べ物は?
なんと、「赤身のお肉」です。
野菜とかヨーグルト、果物と思いきや、お肉です。ポイントは赤い色のお肉を食べるということです。
なぜなら、美肌をつくる三大栄養素は「タンパク質」「鉄」「ビタミンB」だからです。
これらを体に吸収されやすい状態で豊富に含んでいるのが、「赤身のお肉」なのです。
しかもこれは美肌だけでなく、健康維持にも役立ちます。
特に、女性の多くがタンパク質不足、鉄分不足ですので積極的に食べる必要があります。
美肌にタンパク質ってそんなに大事?
タンパク質をはじめあらゆる栄養素は、皮膚だけでなく、臓器、血管、細胞にとっても必要です。
まず、生命維持活動に大切な役割をしている脳や心臓など臓器から使われていきます。
そのため、栄養が足りていないと最初に変化が現れるのは、肌荒れやかゆみ、髪の毛が細くなたったり、抜け毛が増える、口内炎ができる、胃もたれ、便秘や下痢などのお腹の不調が症状として現れます。
よくお肌に納豆なや味噌汁などの大豆製品などもいいと聞きますが、植物性より動物性のタンパク質や鉄の方が人間の体には吸収されやすいのです。
赤みのお肉が手っ取り早くタンパク質や他の栄養素がとれる
その美肌の三大栄養素である「タンパク質」「鉄」「ビタミンB」を効率よくとることができるのが、「赤身のお肉」です。
ポイントは「赤い色のお肉」です。なぜなら、赤身のお肉には、三大栄養素だけでなく、「亜鉛」「ビタミンA」「ビタミンD」などの他の栄養素も含まれており、効率よく栄養が取れるからです。
おススメは、牛肉のヒレやモモです。
豚肉でも、脂肪分が少ないヒレやモモを選びましょう。鴨肉やラム肉、馬肉なども赤いのでおススメです。
また、よく食べる機会が多い鶏肉は赤い色が薄いですが、その中でも赤い部位のモモなどを食べるようにしましょう。
ただ、ひとつ注意が必要です。
いくら牛肉のヒレがよいと言っても、3回の食事を牛ヒレ肉ばかり食べればよいという訳ではありません。
何か一つに偏るのは栄養バランスにも良くないし、また、同じ食べ物を毎日毎日、食べ続けると「食物アレルギー」のリスクが高くなります。
例えば、同じ牛肉でもヒレやモモなど部位を変える、肉、魚、卵、大豆製品をまんべんなく毎日の食事に取り入れましょう。
魚は肉には含まれていないEPAやDHAが含まれており、大豆製品はイソフラボンが多く含まれているので、今までより、お肉を意識して食べるようにしながら、一日の食事に、魚介類、大豆製品、卵なども取り入れましょう。
タンパク質って一日にどのくらい摂ればいいの?
実は、タンパク質に限っては、病気などで制限されている方以外は、摂取の上限はありません。
ですので、タンパク質を摂取しすぎて体に害があると心配するより、むしろ意識しないと足りないくらいなので、積極的にタンパク質が含まれている食べ物を食べるようにしましょう。
では、どのくらい食べればいいの?となりますが、タンパク質の1日の摂取目安は、50キロの体重の人が必要なたんぱく質は50~75gです。
牛肉赤身ステーキ100gには約20gのタンパク質が含まれています。
「50÷20=2.5」つまり、ステーキ3枚分くらいのタンパク質を食べなければならないのです。
一日3回の食事でとるには、「一回の食事で1枚分のタンパク質をお肉からだけでなく、魚介類や卵、大豆製品からバランスよくとる」という事です。
各食品のタンパク質の目安量は、牛乳200mlで6.9g、プレーンヨーグルト120gで4.3g、鶏卵1個で6.2g、うずら卵1個で1.1g、鮭1切れ(90g)で20.1g、納豆1パック(50g)で8.3g、木綿豆腐100gで6.6g、絹ごし豆腐100gで4.9gです。
ちなみにご飯やパンにも少しは含まれていて、ご飯1膳(140g)で3.5g、食パン6枚切り1枚に5.6gのタンパク質が含まれています。
赤身のお肉にプラスしてこれらの食材も取り入れて、バランスよく食べるようにしましょう。
タンパク質を無理なく摂取できる工夫
そんなに食べれないという人は、まず、食事をご飯やパンや麺類などの糖質が多く含まれている食べ物を減らして、豆腐や卵に置き換える。
また間食をチョコレートやクッキーなどでなく、ビーフジャーキーやうるめの丸干しなどの乾き物系のおつまみやうずら卵のゆでたものなどに置き換えるなど、毎日の生活に無理なく取り入れることから初めて、シミのない美肌を目指してみてはいがかでしょうか?
日焼けする前に取っておきたい美白の食べ物
紫外線が強くなる春から夏の季節や、屋外で紫外線をいつもより多く浴びる日は、「ビタミンC」をいつもより多くとりましょう。
ビタミンCはメラニンが作られるのを抑え、また濃くなったメラニンを還元してメラニンを薄くする作用があり、「美白ビタミン」と呼ばれています。
健康のために必要なビタミンCは一日あたり成人男性は90mg、成人女性は75mgですが、ビタミンCはストレスや運動など消費されるので、一日安全な上限値は2000mgまで摂取しても問題ないとされています。
先ほども説明したとおり、体内の栄養素はまず、生命維持活動に重要な役やりを果たす臓器などから、分配されていくので、美白のためには毎日1000mgほど取っておいておくと肌のために働いてくれます。
さらに、ビタミンCは体内から流れやすいため、こまめに摂取することが大切です。
また、これから紫外線を浴びるぞという時は、日焼け対策として1~2時間前から、ビタミンCが多く含まれているものやサプリメントを取っておくと、日焼けのダメージを防ぐことができます。
さらに、海や山などに行く場合は、いつもより紫外線をたくさん浴びるので、2,3日前からビタミンCをたくさん摂取して(安全のための上限2000mgは守ってください。)、体内の飽和濃度の約4500mgまで体内に貯めておくとよいです。
ビタミンCが多く含まれている食べ物は、パプリカ、菜の花、ブロッコリー、ピーマン、ゴーヤ、キウイフルーツ、いちご、ネーブルなどです。
しかし、少し食べ方に注意が必要です。かんきつ類や香味野菜などには、かえって逆効果になることがあります。次の3章に詳しくまとめましたのでご覧ください。
その他にも美白に効果的な栄養素は、鮭、イクラ、エビ、カニなどに含まれる「アスタキサンチン」や、またトマトなどに含まれる「リコピン」が紫外線を浴びて増えた活性酸素の消去に役立ちます。
人参、カボチャなどの緑黄色野菜に含まれる「β-カロテン」も体内で必要に応じてビタミンAに変換され、肌を健やかに保ち、抗酸化作用も強いとされています。
シミの原因になってしまう食べ物、栄養素は?
ビタミンCの代表のイメージがあるレモンやオレンジなどの柑橘類や一部の野菜には「ソラニン(ソラーゲン)」という成分が含まれています。
「ソラニン」には光毒性(ひかりどくせい)があり、それらを食べて、日光にあたるとかえって紫外線を吸収してシミができやすくなります。
シミだけでなく、皮膚のかゆみや炎症を引き起こすこともあります。
【訂正】
柑橘系のオイルを直接肌に塗って、日に当たるのはよくないですが、食べる分にはそこまで神経質になることはなさそうです。
参考サイト↓
駒沢女子大学のページ
ソラレンが多く含まれている食べ物(あまり気にしなくていい)
果物では、レモン、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、アセロラ、ライム、イチジクなど。
野菜では、パセリ、セロリ、きゅうり、しそ、春菊、パクチー、三つ葉の香味野菜に多く含まれています。
では、「これらは食べてはいけないの?」というわけではありません。
柑橘類にはビタミンCも多く含まれていますし、健康のためにも食べてほしいのですが、食べる時間帯に注意が必要です。
ソラレンは食べてから、2時間ほどで体内に行き渡り、しばらく紫外線を吸収しやすくなっています。
ですので、オレンジなどのかんきつ類は日光を浴びない夕方以降に食べるようにします。
でも、「朝のフルーツは金、昼は銀、夜は銅」と言葉を耳にした方も多いように、朝にフルーツを食べることは、体に良い事です。
ですから、朝食にフルーツが食べるときはソラレンが少ない果物を食べましょう。
朝食にOKな食べ物(ソラニンの心配なし)
果物では、リンゴ、バナナ、キウイ、いちご、モモ、スイカ、ブドウ、ブルーベリー、ラズベリーなどです。
その他に朝食におススメの食べ物は、野菜類では、トマト、アボカド、レタス、キャベツ、ゴボウ、ネギ、大根、カボチャ、サツマイモ、小豆、アーモンドなどがあります。
特にトマトは美肌に効く「リコピン」も含まれており、プチトマトなどは、忙しい朝でもすぐに食べれるので、シミ対策によい食材です。
ソラニン以外でシミが出来やすくなる食べ物
「ソラニン」ではありませんが、その他にもシミができやすくなるものは、アルコールです。
ですので、アルコールが体内に残っていると日焼けしやすくなります。
夏場の日中のバーベキューなどでアルコールを飲んだり、日中の飲酒は控えましょう。
また、防腐剤や人工甘味料などの添加物や鎮痛剤、抗生物質やピルなどの薬も種類によっては、皮膚が紫外線に敏感になり、シミができやすくなるので、なるべくそれらに頼らない健康的な生活を心がけましょう。
美肌になれる食べ物のまとめ
美肌、シミに効く食べ物をまとめると、(1)赤身のお肉を積極的に食べる → 健康な肌のための栄養素がたくさん含まれていて、しかも体内に吸収されやすいから。
(2)紫外線をたくさん浴びる夏や、海や山へ行くときは、数日前や前日からビタミンCを多く含む食べ物やサプリメントを利用して、体内に蓄える。(注意:一日のビタミンCの安全な上限摂取は2000mgまでです。)
また、トマトの「リコピン」や鮭やイクラなどの「アスタキサンチン」も合わせてとると効果的です。
(3)「ソラニン」を含むレモンなどの柑橘類は朝食に食べない。夕方以降にしましょう。
その他にも、日中にアルコールを飲むことや、添加物が多く含まれている食べ物は避けましょう。
鎮痛剤、抗生物質、ピルなど薬にも、紫外線に敏感になる成分が含まれているものもあるので、それに頼らない健康的な生活を心がけましょう。
参考『資生堂 本気の美容事典 スキンケア&メーク』(資生堂ビューティークリエーション研究センター監修 資生堂ビューティートップスペシャリスト西島 悦ほか Gakken 2014.3.18 第1刷発行)
『カリスマ皮膚科医吉木伸子が伝授! 新版 今さら聞けない スキンケアの正解』(吉木 伸子 主婦の友社 平成27年7月10日発行)
『素肌美人になれる正しいスキンケア事典 3人の専門家が教える、基礎知識完全バイブル』(皮膚科医:吉木 伸子 、元化粧品開発者:岡部 美代治、栄養士:小田真規子 高橋書店 2010年6月25日発行)
『きれいな肌をつくるなら赤いお肉を食べなさい』(柴 亜伊子 (株)青春出版社 2017年4月5日発行)